「人間の条件」- The Human Condition

すごい面白い映画を見た。

小林正樹の「人間の条件」



1959年~1961年の足掛け3年にわたって製作された超大作。

主人公の青年と奥さんの純愛を縦糸にして、数々の人間ドラマを横糸に、舞台は中国、満州国境、シベリアと移っていきます。

まず何がすごいって、人間ドラマの数々。

この映画一本で、いまなら映画10本くらい作れるんじゃないでしょうか。それだけ、いろいろなテーマがふんだんに詰め込まれています。

映画は全部で9時間半。6部構成になっています。一日一部、6日かけてみるつもりが、見始めたらやめられなくなり・・・気がついたら2日で鑑賞終了(汗)

疲れたっちゅうねん。

セットもロケもカメラワークもしっかりと作りこまれていて、白黒映画であるにもかかわらず、まるでその場にいるかのように画面に引き込まれます。

主人公を演じる仲代達矢といっしょに、のどの渇きを覚えたり、空腹を感じたり・・・みていて肉体的な感覚を覚えるのはいい映画の何よりもの証拠ですね。

今では、あまりにも制作費が嵩みすぎてこのような映画は作れないんでしょうね。何百時間にも及ぶカメラの収録に加えて、3年間にもおよび数多くのスタッフと俳優を拘束する製作資金をだす映画会社はどこにも存在しないのではないでしょうか。

しかも、仲代がこの映画初主演!!

今この映画をリメークするとしたら、だれを主演させればいいのだろう?

今見ても、古臭く感じないのはここに描かれている日本人が、今もちっとも変わってないからでしょう。

日本人の従順さ、理想主義、組織好き、権威好き、弱さやしぶとさに至るまでいちいち見ていて「ああ、これはもっともだな・・・」と納得させられる。作り事の世界をどこかで超えてしまっているのでしょう。

たまたま、究極の状況下に置かれているせいで各々の性格の極端な部分が噴出しているけれども、ちょっと見回してみれば、この映画に登場する人たちに似た人々にいくらでも出会った気がする。もっと言えば、僕自身もどこかにいる気がする。

どうも面白いとしか言いようがないのだけれど、見終わっても、何日かは余韻が残る映画です。

かつては、本当に巨匠の名に値する監督が日本にもいたんだと改めて実感。

こんな見事な外国映画をローカルなレンタル屋で貸し出している街、シアトル・・・侮れません。










ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 5

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
面白い 面白い 面白い
ナイス

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック