週末の出来事

カタマラン(双胴船)の操船を覚えはじめた。
Monohull(単胴型)と較べてだいぶ安定して水抵抗が少ない分、速い。

土曜日のシアトルは4月にも関わらず、まれに見るほど晴れて、フットボールスタジアム裏の湖上には昼過ぎから12ノットの風が吹き始めていた。

メインセールは上げるや否や北西の風を孕んで、水上を滑るように進んだ。
まだ、覚えたての船なので風下の舳先があまり水中に潜り込まないように注意しながら、ジブセールのテルテールが水平になびくように調節する。スピードがさらにあがる。この風に乗って飛ぶ様な快感が、セーリングの醍醐味だ。

周囲にはmonohullのFJが何艘かでているものの、多くが時折吹き込むパフに戸惑っているのを尻目にぼくはタックを何回か繰り返した。まだ、手練ではないのでどうしても思っている以上に減速してしまう。

今年初のひとりヨットは、先週、集中治療部でひどいめにあって、どうしても必要な、待ちに待った息抜きだった。

20床ちょっとではじまった担当週は、荒れた。
ECLSにのった患者さんが一人でて、六日間の苦闘の末に亡くなり、さらに三人、致死性不整脈でこの世を去った。この間にも医療スタッフの不祥事の後始末に終われ、新たにスタートする臨床研究会議の準備に走りまわり、さらに投稿論文の最終仕上げをギリギリで間に合わせなければならなかった。

ICUに缶詰になる夜が幾夜かつづき、アパートに帰って横になると、母をなんとか救ってほしいとぼくの白衣の袖に泣いてしがみつく患者家族の光景がちらつき、また、スタッフミーティングで繰り広げられたdisturbingなやり取りが思い出され、体は疲労しているのに寝付きが悪い。

でも今は、湖上で風を受けていると、透明な気持ちになる。数度、繰り返すうちにタックの精度が大分上がった。減速もそれほどしない。セールを始めて1時間。まばらにあった雲は、完全に吹き飛び、いまは湖面に反射する日光が眩しいほどだ。

3時間ほど操船テクニックをいくつか練習して、近くのバーにビールを飲みにいった。

夜、最近買った圧力鍋で豚の角煮を作って食べ、久しぶりに朝まで起きることのない睡眠を取った。

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この記事へのコメント

もんさんみっしぇる
2014年04月20日 05:51
お久しぶりです。仕事や職場がどんなに過酷でも、いや過酷だからこそ、息抜きをすること、人生を楽しむことを忘れない、ここに来るとそれを思い出します。そして貪欲に、己の可能性を試したくなる、その力がここにはあります。

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